MD技術要素(10)「動力伝達部分」
2024.08.13
私たちが独自に分析した展示装置、演出装置の技術要素を少しずつ紹介していきたいと思います。
展示装置を動かし制御する部分を「駆動部(くどうぶ)」と定義しています。
今回も駆動部の中の動力を伝達する部分について紹介します。
■タイミングベルトとタイミングプーリー
・前回はチェーンとスプロケットを取り上げましたが
今回は見た目も機能も似ているタイミングベルトとタイミングプーリーを紹介します。
・タイミングベルトとタイミングプーリーには歯車のような歯が付いていて
その歯が噛み合うことでチェーンとスプロケットの様に駆動軸と従動軸の回転を同期させることができます。
※写真タイミングベルト_三ツ星ベルト
※写真:タイミングプーリー_三ツ星ベルト
・ちなみに歯が付いていないベルトとプーリーの摩擦によって動力を伝達するものもあります。
ベルトには平ベルト、丸ベルト、Vベルト、リブベルトなどがあり、
厳密な同期が不要な動力伝達やベルトコンベアなど搬送用途に用います。
■展示装置、演出装置での使用例
※写真:回転を直動に変換
※写真:高さを変更して伝達
※写真:減速して伝達
※写真:等速で伝達
●タイミングベルトとタイミングプーリーのメリット
・チェーンや歯車と違い潤滑が不要
・金属同士の接触が無いので運転が静か
●タイミングベルトとタイミングプーリーを使うときの注意点
・タイミングベルトはチェーンのように後から長さを加工して変えることはできない
・タイミングベルトとタイミングプーリーの平行度や直角度が悪いとベルトがずれて破損や切断につながる
などです。
あまり表に出ることは少ないですが
タイミングベルトとタイミングプーリーを見る機会があればぜひ観察してみてください。
島津久義