アクリル板は伸びる?


2024.04.01

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装置カバーでよく使うのは透明アクリル板です。

透明度が高く、軽くて劣化しにくく、水を扱う場所で使用でき、加工しやすい素材で

弊社で製作している一品一様の装置には欠かせない素材です。




そんなアクリル板ですが熱に強くないという特徴があります。

物体には温度の上昇によって物体の長さ・体積が膨張する割合を定めた線膨張係数というものがあり、

アクリル板の線膨張係数は1℃あたり「7×(10の-5乗)」です。




例えば

冬に朝一に空調を付け、館内温度を10℃から22℃まで一気に上げるとします。

すると、アクリル板が1mの場合

(アクリル板)1000mm×(温度差)12℃×(線膨張係数)0.00007=0.84mm

と、空調を付けて温度が上がるだけで0.84mmも膨張します。




また真夏に真冬の温度差が40℃あった場合

アクリル板が1mの場合

(アクリル板)1000mm×(温度差)40℃×(線膨張係数)0.00007=2.8mm

夏と冬で2.8mmも長さが変わってきます




このように日常の温度差でも膨張・収縮を繰り返します。

膨張することを想定して部品を製作しますが、それでもアクリルが反ってしまう可能性があります。

アクリル板を環境変化の厳しい場所に設置する場合は注意が必要です。




宿野 裕一朗