MD技術要素(8)「動力伝達部分」
2024.04.29
私たちが独自に分析した展示装置、演出装置の技術要素を少しずつ紹介していきたいと思います。
展示装置を動かし制御する部分を「駆動部(くどうぶ)」と定義しています。
今回は駆動部の中の動力を伝達する部分について紹介します。
■駆動部の中でも最も身近なものは歯車ではないでしょうか。
・歯車はコンパクトで確実に動力を伝達することができるのが特徴です。
・大きな歯車を用いたり、多数の歯車を用いたりすると慣性モーメントが増えるので注意が必要です。
●平歯車(スパーギヤ)
・組合せる歯車の大きさを変えることで変速することができます。
回転方向を逆にするときはアイドラーギヤ(遊び歯車)を間に入れます。
※写真:平歯車_ミスミ
●かさ歯車(ベベルギヤ)
・回転軸方向を90°に変えることができます。(90°以外もあります)
加えて組合せる歯車の大きさを変えることで変速することもできます。
特に減速比が1:1のものをマイタギヤと呼びます。
※写真:かさ歯車_ミスミ
●ラックギヤ
・真っ直ぐな棒に直線状に歯が切られたものをラックギヤと言います。
・ピニオンギヤと呼ばれる平歯車と組合せることで回転運動を直線運動に変換することができます。
※写真:ラックギヤ_小原歯車工業
●ウォームギヤ
・円筒形に螺旋状の歯が付いたウォームと呼ばれる歯車と、円盤形のウォームホイールと呼ばれる歯車を組合せて使います。
・小さなスペースで大きな減速比を生み出すことが特徴です。
ただしウォーム→ウォームホイールの方向にしか動力を伝達しません。
※写真:ウォームギヤ_協育歯車工業
他にも用途や目的に合せて変わった歯車がいろいろあります。
機会があればぜひ観察してみてください。
島津久義