自分が変わる機会が得られていますか?
2024.03.04
人の話しを聞いて、要するに「◯◯◯ってことでしょ」とまとめたがる人がいます。このような態度では「自分が変わる」機会は得られないのではないでしょうか?
マサチューセッツ工科大学のC・オットー・シャーマーが提唱した「U理論」において、人とのコミュニケーションにおける聞き方の深さに関して、4つのレベルがあると説明されています。
〇レベル1 自分の枠内の視点で考える
新しい情報を過去の思い込みの中に流し込む。将来が過去の延長上にあれば有効だが、そうでない場合、状況は壊滅的に悪化する
〇レベル2 視点が自分と周辺の境界にある
事実を客観的に認識できる。未来が過去の延長上にある場合は有効だが、そうでない場合は本質的な問題にたどり着けず対症療法のモグラたたきとなる
〇レベル3 自分の外に視点がある
顧客の感情を、顧客が日常使っている言葉で表現できるほど一体化する。相手とビジネス取引以上の関係を築ける
〇レベル4 自由な視点
何か大きなものとつながった感覚を得る。理論の積み上げではなく、今まで生きてきた体験、知識が全部つながるような知覚をする
要するに「◯◯◯ってことでしょ」とまとめたがる人は「レベル1 自分の枠内の視点で考える」に過ぎないのです。
VUCA(予測不可能な時代)になった今、想定外の出来事が次々に起きていて、
過去の経験から得た考え方では対応できないことは何となくわかっているのに、自分の枠内の視点、
つまり自分の経験知で判断して、悪いことにそれを押し付ける人がいると、先行きは真っ暗になります。
そのことを打開するには、レベル2、レベル3、レベル4、へと高めることが求められますが、
そのための第一歩は「沢山の人に出会う」ことから始め、「要するに◯◯だ」とまとめないで過去の経験やノウハウを補強するだけではなく、
本当に自分が変わり、成長するためには、安易に「わかった」と思わず、
相手の言っていることに耳を傾け共感しましょう。
そのことで、わからないことの中にこそ「わからないけど、そう思っているのだ!」という、
創造する視点を見つけ出す機会と出会い、多様な価値を認め合うことができるような人になれるように思います。
さあ、コロナが明けた今、枠外の人と出会う一歩を始めましょう!!
宿野秀晴