MD技術要素(7)「空気」
22024.03.11
私たちが独自に分析した展示装置、演出装置の技術要素を少しずつ紹介していきたいと思います。
展示装置を動かし制御する部分を「駆動部(くどうぶ)」と定義しています。
前回は液体(水)を扱う駆動部を紹介しましたが、
今回は気体を扱う駆動部についてのお話です。
私達にとって最も身近な気体といえば空気ではないでしょうか。
■空気を圧縮して使う
・駆動部にエアコンプレッサーで圧縮した空気を使った展示装置の例です。
鉄道のパンタグラフでは圧縮空気でエアシリンダーを動かしています。
500系新幹線翼型パンタグラフ 京都鉄道博物館
https://www.youtube.com/watch?v=AQ-FPtrUmRIプレビュープレビュープレビュー
容器内に加圧した空気を一気に減圧することで雲を作ることができます。
https://www.medico-tec.co.jp/device/post_279.html
・圧縮した空気は水蒸気を含むので展示装置で使用する際は
配管内の水をセパーレーターで常に取り除いたり、
エアタンクに溜まった水(ドレン)を定期的に排水したりする必要があります。
■空気を膨張させる
・駆動部に真空ポンプを使って容器の中を真空に近い状態にする展示装置の例です。
ふくらむボール 葛飾区科学教育センター(未来わくわく館)
https://www.youtube.com/watch?v=K1PADktnAvkプレビュープレビュープレビュー
回らない風車 葛飾区科学教育センター(未来わくわく館)
https://www.youtube.com/watch?v=xvCu_bLhjdMプレビュープレビュープレビュー
音が聞こえなくなる展示装置
真空ベル 千葉市科学館
https://www.youtube.com/watch?v=6jQJ1zHGBU0プレビュープレビュープレビュー
真空に近づくと沸騰する温度が低くなる展示装置
https://www.medico-tec.co.jp/device/000_15.html
・真空ポンプ内の潤滑油が空気の膨張とともにミストとなって蒸発するので
展示装置で使用する際は定期的に潤滑油の補充やエアフィルターの交換を行う必要があります。
■空気を吸引する
・変わったところでは駆動部に掃除機そのものを使って空気を吸引する展示装置があります。
ボウリング球の吸い上げ実験 名古屋市科学館
https://www.youtube.com/watch?v=XGoYU94Yhdsプレビュープレビュープレビュー
いかがでしたか?
エアコンプレッサーや真空ポンプは空気を使って多彩な現象を実現できるおもしろい駆動部です。
ただ、運転音が大きく排熱も多いため防音と換気の両立が悩みどころです。
もしも空気を使った展示装置を見かけた際はぜひ観察してみてください。
島津 久義