創造する人づくりのプラットフォームをつくろう!
2024.01.05
日本の経済成長を振り返ると、1955年から1973年の高度経済成長期は年平均10%以上の経済成長を達成し、エネルギーは石炭から石油に変わり、太平洋沿岸にはコンビナートが立ち並んだ。
その後経済成長は鈍化し1988年の実質GDP成長率は6.79%、バブル崩壊後の1992年は0.85%、その後、いざなぎ景気で3.13%まで上昇したが、2008年9月のリーマンショックを受けて▲5.69%となり、アベノミクス景気でプラス成長へ転じたが、2022年の成長率は1.75%でした。
その間成長が鈍化した1990年代初頭から2020年代初頭を"失われた30年"と言われているが、
私たちは何を失ったのでしょうか?
この30年間、効率的で効果的なものづくりが求められ「1を10に10を100」することに専念し
"新しいこと創造すること"が求められなかったことで、「0から1」を生み出すことが排除させて、
新しい価値を創造することの重要性を失ってしまったのではないか?と思っています。
先日、そのことを改めて感じたのは、
「ものづくりことを伝えようと大手企業と地域の中小企業が連携したものづくりプログラムを実施しているのだが、
参加した企業はそれぞれが得意なものをつくれたのですが、それをどのように展開したらよいのか?で動けなくなってしまい、
どうしたら良いか知恵を貸してほしい」と、相談がありました。
このような困り事が、あちこちで起きているように思います。
何か新しいことを考える時に「わかった、つくれる!」の経験のステージの中に留まっていて、
「わからないけど、つくってみよう!」の創造のステージに立てていないのではないか?
つまり、やっている連携は「経験を創造に変える」仕掛けが出来ていないのではないか?
「わかる!」は、経験から得られた経験知で「わからないけど?」は新しいことがわかるようになる創造知です。
相談された連携では「経験知を共有する仲間づくり」の場として、
経験知のステージに留まっているものづくりを「わからないけどつくってみる!」の創造知に向かう仕組みづくりを共有することではないかと思います。
今、私たちに求められているのは、失われた30年の「経験知」のプラットフォームを、
「創造知」のプラットフォームへと高めて価値創造ができる人財づくりを行うことではないか。
そのためには、「わかる知(正解)」を伝えることから「ほしい知(問い)」を見つけ出すことへと変わることだと思っています。
「ほしい知(問い)」に出会うには、「つくりながらまなぶ(思いつきから始める)場をつくることです。
私は、地域で、つくりながらまなぶことが体験できるワークショップを開催して「楽しく学ぶプラットフォームづくり」を始めています。
宿野 秀晴