球を使った機械部品
2023.12.11
出典:株式会社ツバキ・ナカシマ
以前、リニアガイドという部品を紹介しましたが、球を使った部品は他にもあります。
今回は、球を使った部品たちを紹介します。
■ボールベアリング
出典:NTN株式会社
回転運動が必要なとき使用する部品です。内輪と外輪の間に複数の球が挟まっており、ボールが転がることで、非常に抵抗が少ない回転が得られます。
あらゆる回転機構部に使用され、当社の装置にも数多く組み込まれています。
普段見かけませんが、自転車、オートバイ、自動車などの身近な機械の回転部分にも使用されています。
■リニアブッシュ
出典:株式会社ミスミ
直線運動が必要なときに使う部品です。筒とシャフトの間にボールが転がることで、滑らかに筒がスライドします。ボールは筒内部のトンネルを通り循環します。
次に紹介するリニアガイドに比べ、丸棒のシャフトが使用できるので、比較的構造がシンプルです。ただ、シャフトを中心に筒が回転してしまうので、2本以上で使用することが普通です。
■リニアガイド
出典:THK株式会社
前に紹介したリニアブッシュを発展させたもので、レールが丸棒ではなく複雑な形状をしています。一般的にレールには4箇所のボールが通る溝があります。その為、リニアガイドは、1本でも回転せず使用でき、あらゆる方向の力を受けることが出来ます。また、丸棒ではなく溝つきレールを使うことで、ボールとの接点が多くなり大きな力が受けられます。
■ボールねじ
出典:THK株式会社
モーターなどからの回転運動を直線運動に変換する部品です。ネジ棒をまわすと滑らかにナットがスライドします。ネジ棒とナットには、ボールが通る溝があり、その両方の溝の間にボールが転がることで滑らかに回転運動をスライド運動に変換します。ボールはトンネル(リターンパイプ)を通って循環します。今回紹介する部品の中で最も複雑で高価な部品になります。
ボールねじは、単体では使えないので、先に紹介したリニアガイドと併用し使用します。当社では、大きな力が必要な地震体験装置や津波装置などに組み込んでいます。
■まとめ
装置を設計するとき回転や直線運動する部分が必ず出てきます。その時、樹脂や金属の滑りを利用した部品も選択肢にはありますが、球を使った部品は抵抗の低さや精度の面で勝っており、多く採用しています。
様々な方法で技術が進んでいますが、球の特別な形状により、これらの部品たちを超えるものは、しばらく出てきそうにないです。
吉岡 亮