3Dプリンターで新しい楽器をつくる試み
2022.11.06
生活の中のSTEAM(科学・技術・工学・芸術・数学)シリーズ。
今回は芸術と工学につながる話 チューペットを笛にする楽器を考えて作ってみたレポートです。
先日3Dプリンターを購入したので、イメージを形にすることができるようになりました。
ある暑い日に子どもと一緒にチューペットを食べていると、子どもがチューペットでリコーダーを吹く真似をしていました。
確かに太さも口をつけるインターフェイスもソプラノリコーダーに似ています。
学校でリコーダーの練習をしてることもあって何かつながったのでしょう。
『アイデアのつくり方』ジェームス W.ヤングという本に
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」 とあるように
ちがう文脈のものが組み合わせると新しいものが生まれるかもしれません。
なるほど!そしたらチューペットを笛にできるとどんな音が鳴るのかな?
気になりますね。それではポンチを書いて「こんなかんじにしたらできるかな?」を考えてみます。
頭部をリコーダー型にする案、チューペットに似せる案など検討中。
まずは取り付けるチューペットを凍ったまま採寸します。
まずはプロトタイプなのでざっくり3Dデータをつくります。
そもそも音がでるのでしょうか?それすら要検証です。
プリント出力中。わくわく。
無事に完成!ちゃんと測った通りに出力ができるって改めてすごい。
3Dプリンターの成果物をみるたび毎回すごい時代だなぁと感心してしまいます。
吹いてみると音がなりました!
リコーダーみたいに管を持ってみると震えているのがわかります。
ただチューペットがやわらか過ぎるのか、管を持つと震えが止まって音が出なくなってしまいます。
穴をふさいで調音することができないので、別の方法で音階をつくる方法を考えないといけません。
触れずに気柱の長さを変化させるには。。。しばらくの検討期間をへて思いつきました。
スライドホイッスル方式ならできるかも!
容器に水を汲んで演奏してみると。。。何とか演奏することができました!
(スーパーでよく耳にする曲)
日常の観察をきっかけに、問い、考え、行動していくことで
ちょっとした子供のひらめきから楽器を実装までつなげることができました。
STEAM教育はいろんな事例があるとは思いますが、科学や工学やアートに興味を持ってくみあわせることで
今までなかった新しいものをつくる力につながるかもしれません。
また引き続き日常の延長にあるSTEAMを見つけたら実験&報告していきます。
平河 翔