脱プラスチックへの挑戦
2022.10.31
■なぜ脱プラスチック?
プラスチックは、その耐久性や加工のしやすさから軍用品として利用されていましたが、軽くて丈夫で低価格という理由から、一般市民にも使い捨て容器や包装資材としてあっという間に人気になりました。しかし近年、プラスチック製品を使わない、リサイクルしようという考えが広まっています。
「脱プラスチック」が必要とされる理由は石油を原料としたプラスチックゴミによる環境汚染の問題です。プラスチックは人工的な素材で、自然界に存在する素材ではないため生分解性が低く、焼却しない限りは自然環境中に長期間残存し続けてしまいます。
今回は、脱プラスチックの様々な取り組みに注目したいと思います。
■プラスチックから「紙製・木製」へ
□日本マクドナルド株式会社 「ストロー・スプーン・フォーク・ナイフ」
紙製ストロー、木製スプーン・フォーク・ナイフ・マドラーの提供。
グローバル全体で「2025年末までに、すべてのお客様提供用パッケージ類を、再生可能な素材、リサイクル素材または認証された素材に変更」
https://www.mcdonalds.co.jp/company/news/2022/1004a/
□ネスレ日本株式会社 「キットカット」
大袋タイプ 5 品の外袋をプラスチックから紙パッケージに変更。
https://www.nestle.co.jp/stories/201909-kitkat
■プラスチックから「バイオマスプラスチック」へ
バイオマスプラスチックは、植物などの再生可能な有機資源を原料とした素材。
□カシオ計算機株式会社「PRO TREK(PRW-61)」
アウトドアウオッチの新製品として、原料に再生可能な有機性資源を含むバイオマスプラスチックを採用した『PRW-61』を発売。
https://www.casio.co.jp/release/2022/0215_prw-61/
□イオン株式会社 「ISCC認証 不織布マスク」
バイオマス原料プラスチックを使用した「トップバリュ ISCC認証 不織布マスク」を発売。ISCC認証は、持続可能なバイオマス資源とバイオエネルギーの促進を目指す国際的な認証制度。
https://www.aeon.info/wp-content/uploads/news/pdf/2021/10/211019R_2_1.pdf
■プラスチックから「生分解性プラスチック」へ
生分解性プラスチックは、微生物等の働きで最終的に二酸化炭素と水にまで分解する素材。
□ウエルエフ 「エコギア アクア」
生分解性プラスチックを使用したルアー(釣りの疑似餌)で、自然環境中の微生物によって徐々に分解されていき、最終的には安全な水と二酸化炭素になる。
https://ecogear.jp/environment/
□株式会社カネカ 株式会社セブン&アイ・ホールディングス 「生分解性ストロー」
両者の共同で生分解性プラスチック「カネカ生分解性ポリマーPHBH」を使用したストローをセブンカフェで採用。
https://www.kaneka.co.jp/topics/news/2020/nr2005291.html
■まとめ
軽くて丈夫、加工しやすく安価で便利なプラスチックは、瞬く間に生活に浸透しましたが、同時に化石資源を消費し、自然界で分解できないゴミを排出し続けています。
一般消費者としては、出来ることは限られていますが、少しずつでも環境にやさしい社会を実現するため、これらの企業の取り組みに注目し、良い選択をすることが未来につながるのではないでしょうか。
吉岡 亮