紙飛行機と揚力
2022.08.08
生活の中のSTEAM(科学・技術・工学・芸術・数学)シリーズ。
今回は工学につながるお話です。
子どもが友達から紙飛行機の作り方を教えてもらったとのことで一緒に紙ひこうきを折って遊びました。
折り紙がまだきれいに折れない子の紙飛行機よりきれいに折れる私の飛行機の方がよく飛ぶのですが、少しずつうまく折れるようになっても、うまく飛ぶものと飛ばないものがあるようです。
どんな形がよく飛ぶのかな?
先が重い方が飛びやすいかも。先がとがってる方がいいのかな。など様々な飛行機を折りました。うまく風をつかんでふわりと飛ぶものから、ダーツのように素早くまっすぐ飛ぶものまでいろいろできました。
滞空時間が長い紙飛行機の方が飛び方が楽しかったので(ダーツ系は危なかったので脚下)、さらにいくつか作っていたのですが子に「どうしてゆっくりふわっと飛ぶの?」と聞かれました。
なんでだろうね、どうしてだと思うと逆にきいてみると
子の中ではパラシュートみたいに空気の上に乗ってるイメージらしい。
直観的にそんな感じしますね。
揚力、という言葉を教える前にどんなことが紙飛行機に起こっているかを調べるために簡単な実験装置を作ってみました。
折り曲げた細い針金を紙飛行機にテープでふんわり貼り付け、反対側を天板に貼り付けドライヤーで風を当てます。
紙飛行機の先はとがってて先が重い方がよく飛ぶイメージもあったので正面からの風をつかむのかな、という気もしていたのですが、正面からまっすぐ風を当てると、意外となにも起こりません。
飛行機が動く風向を探ってみると、すこし斜め下から吹き上げるように風を当てるとふわっと浮かびました。
下からの風を受けて浮いているだけにも見えますが、実際 翼の上側の気圧が下側より低くなると揚力が発生します。
そう考えると、飛行機を発射させるときの角度がどうなっているか、翼の形状なども飛行に変化が起こる要因のようです。
紙飛行機は小さい子供でもできる身近な遊びではありますが、空気の流れを考えてみるとなかなか奥の深いモノづくりです。
どうしてだろう?と思ったことを見過ごさずにほり深めてみるとどんどん好奇心がわきますね。みなさんもぜひ「揚力」を気にしながら紙飛行機を試行錯誤してみてください。
平河 翔