バイオミミクリー 自然から学び持続可能な社会へ
2022.06.06
バイオミミクリーという言葉をご存知でしょうか?
バイオミミクリーとは、自然界の仕組みを製品開発や技術開発に活かすことです。
「Bio」は生物を意味し、「Mimicry」は模倣を意味しています。
バイオミミクリーは、地球の知恵を模倣するもので、持続可能な社会に向けて様々な場面で活用されています。
私たちの身近にも、バイオミミクリーの技術が使われているものが多いです。
今回は、バイオミミクリーとは何か、紹介していきたいと思います。
■新幹線
世界最速の300キロを出すことに成功した新幹線500系。
騒音問題を解決するために、カワセミが参考にされました。
カワセミは餌を取るために高速で水面に飛び込みますが、しぶきが少ないのが特徴です。
クチバシの形状が水の抵抗を最も少なくする為に鋭いことが分かりました。
これを採用することによって、走行抵抗が30%削減され消費電力も15%削減されました。
出典: ウィキペディア(Wikipedia)
■水上ゴミ回収ドローン
世界一大きい魚と呼ばれるジンベイザメの特性を活かした、水上ゴミ回収ドローンです。
ジンベイザメは平く大きい口を持ち、あまり動かずにプランクトンにありつきます。
この動きを真似して、ドローンは水上ゴミを一気に大量に回収できるようになりました。
出典: ウィキペディア(Wikipedia) ・ Water Shark/RanMarine Technology
■船舶用塗料
日本ペイントマリンは、マグロの生態を生かした塗料「LF-Sea」を開発しました。
マグロは時速100キロで泳ぎますが、それは皮膚から抵抗を減らす体液を出すことが関係しています。
船舶用塗料も防汚機能と水の抵抗を減らして燃費を向上させる機能が求められます。
マグロの皮膚の粘膜を応用することで、従来の製品と比べ、約4%の燃費低減を達成しました。
出典: ウィキペディア(Wikipedia) ・ LF-Sea/日本ペイントマリン
■人口光合成
植物は、太陽光を使って水と二酸化炭素から有機物と酸素を作り出す「光合成」を行います。
この「光合成」を真似て、太陽光で水を分解することで水素を作り出し、二酸化炭素を反応させて物質を合成することが「人工光合成」です。
「人工光合成」が実現すると、これまでは物質を作るために使用していた二酸化炭素の使用量が減少するだけでなく、材料として使うことで二酸化炭素を削減することができるようになります。
日本では、三菱ケミカルが人工光合成でプラスチック等の原料を作り出す研究開発を進めています。
出典: ウィキペディア(Wikipedia) ・ 三菱ケミカル
■その他のバイオミミクリー
□バイオミミクリーで持続可能なデザインを 生態系から学ぶものづくりとは/ELEMINIST
https://eleminist.com/article/608
□バイオミミクリー地球を救う可能性を秘めたデザイン手法/ソーシャルグッドCatalyst
https://socialgood.earth/biomimicry/
□生物模倣(バイオミミクリー)/WIRED
https://wired.jp/tag/biomimicry/
バイオミミクリーとは、生態系をヒントした技術を人々の生活に役立てることです。
環境問題解決への糸口の一つとしても注目されています。
私たちの身の回りは、自然をヒントにした製品やテクノロジーが溢れています。
仕事でアイデアが出ないときは、自然からヒントをもらってみてはいかがでしょうか?