つくる責任つかう責任
2022.05.30
何かを製造する上で材料は欠かせません。
それは私達が携わっている科学展示装置も同じです。
科学展示装置の材料には
木材(合板や角材など)
金属(鋼板や鋼材など)
樹脂(アクリルやゴムなど)
購入部品(モーターや機器などメーカー製品)
などがあるのですが
例えば合板や鋼板の規格には
3×6(さぶろく)や4×8(しはち)という定尺寸法があります。
数値は文字通り尺寸法で
3尺×6尺はおよそ900mm×1800mm
4尺×8尺はおよそ1200mm×2400mm
になります。
アクリル板の場合は3×6もありますが1m×2mのほうが定尺として馴染みがあります。
製品の大きさや形状を決める際には材料の定尺を最大限無駄なく使用するようにすることもつくる責任のひとつといえます。
ところで京都では和装で観光される姿を多く見かけるのですが、和服(着物)の材料は「反物」と呼ばれる細長い布です。
立体になるように複雑な形状に裁断する洋服とは違い、着物のすべてのパーツはシンプルな長方形で、長さ1反の布から1着分を端材を出さずに裁断します。
参考:和裁#反物「ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%92%8C%E8%A3%81#%E5%8F%8D%E7%89%A9
そうすることで後からパーツの部分だけ交換したり、解いて他の着物や小物に仕立て直したりしやすくなっているというわけです。
昔は仕立て直して使い古した最後には雑巾にして、それも使い古したらようやく燃やしてその灰を肥料にしたそうです。
まさに最後の最後まで責任をもって使っていたのですね。
島津 久義