住み続けられるまちづくりと科学
2022.04.04
SDGsの持続可能な開発目標11に「持続可能な都市」とあります。
その中に「必要なエネルギーを最小化する」とあります。
ここ京都は794年から1200年以上続く都市ですから持続可能な都市だと言えるかもしれません。
これからも持続可能な都市であるには何ができるでしょうか?
さて、街のエネルギー(電力)が最も必要な時期はやはり暑さでエアコン需要が高まる7月から8月にかけてだそうです。
https://www.fepc.or.jp/enterprise/jigyou/japan/
千年ほど前、清少納言は枕草子で「夏は世に知らず暑き」(夏は前例のない暑さがよい)と言ったそうですが、
現代の酷暑でも同じことが言えたかどうか訊いてみたいものです。
日本では1980年代に一般家庭のエアコン普及率が50%を超え、現在は90%を超えているそうです。
エアコンのしくみは簡単にいうと冷媒と呼ばれるガスをコンプレッサーで圧縮して液化し、
それを一気に膨張させて気化するときに周囲の熱を奪うしくみを利用しています。
現在ではエアコンはもはや必需品ですが、まだ一般家庭にそれほど普及していなかった1970年代ごろは
夏の朝や夕方にはどの家庭でも「打ち水」をしていた記憶があります。
「打ち水」とは玄関先の道路や庭に水を撒くことです。
撒いた水が蒸発する時に「気化熱」が必要になり地面から熱を奪うことで涼しくなるというものです。
気化して熱を奪う・・・エアコンと似ていますね。
お風呂の残り湯で打ち水をすれば電気(エネルギー)も水道も使わず自然の力で温度が下げられ、微力ながら必要なエネルギーを最小化することに貢献できそうです。
今年の夏は打ち水してみませんか?(マンションならベランダに撒いても効果があるそうです)
島津 久義