1kgって何?
2022.03.07
普段設計業務をしているとmm(ミリメートル)・N(ニュートン)・L(リットル)等色々な単位を使用しますが、
日常でよく使う単位といえば「kg」ですよね。
体重を測ったり、お肉を買う時に何gか確認したりと広い分野で使用されています。
ところで「1kgの定義」って知っていますか?
1kgの定義はもともと水1リットルの質量=1kgでした。
ですが水は温度で体積が変化するため不安定です。
そこで水1リットルと同じ質量で作られた分銅(国際キログラム原器)が作られました。
参考画像:産総研:キログラム原器が重要文化財に ?日本の質量の基準として、明治以降の近代化と産業発展に大きく貢献? (aist.go.jp)
直径と高さ共39mmの白金イリジウム合金製で二重の気密容器に入っています。
これが入っている金庫は3つの異なる鍵の掛かった扉を3人の鍵所持者が揃って開ける必要があるほど厳重に保管されています。
また質量の変化を確認するため各国にレプリカを設置し質量の管理をしていました。
こうした原器は10万年機能するとされていましたが、
最近になって大本の原器の質量が変動していることがわかりました。
その量が1億分の5キロ、指紋1個分の脂の重さと同じです。
質量が変化する基準ではいけないと、2019年に130年ぶりに再定義されました。
それは、「プランク定数の値 6.62607015×10のマイナス34乗ジュール・秒(Js)」
が新定義です。
・・・色々と調べましたが全く理解できませんでした。
実際前の定義でも新定義でも日常には何も変化はありません。
ですがこの定義を作るために、
多くの研究者が膨大な時間と努力と最新の技術が積み重なって生まれています。
単位はニュートンやボルト・アンペアなどの科学に貢献した学者の名前が使われています。
つまり、単位は科学なのです。
今後この定義により新たな科学が生まれるかもしれません。
宿野 裕一朗
参考文献
「日本も貢献 1Kgの定義変わります!」(くらし☆解説) | みみより!くらし解説 | 解説アーカイブス | NHK 解説委員室
キログラムの定義が変わる、そのとき何が起こるのか?(臼田 孝) | ブルーバックス | 講談社(1/2) (ismedia.jp)