京町家ってなに?
2021.10.25
Medico-tecの会社の隣では「つくるまなぶ京都町家科学館」を運営しています。
・・・・ところで京都の町家ってなんでしょう?
今回は京都の町家の特徴について紹介します。
京町家は、明確な定義はありませんが昭和25年以前に建てられた建物の事を言います。間口が狭く奥に長いため、よく「うなぎの寝床」と呼ばれていますね。
これは京都町家科学館の玄関です。
玄関は土間で一直線に坪庭に行ける構造になっています。
これによって蒸し暑い京都の夏を少し涼しく暮らすため風が通り抜けるようにする工夫です。
なので、今でも普通よりも涼しく感じます。
(冬は風通るので寒いですが・・・)
続いて奥にある坪庭です。
今は資材置場になっていますが、昔の人はここに紅葉やナンテン等を植えていました。
これは四季折々の木々の変化や、光・雨・風・生き物の気配を感じられるようにしていました。
また坪庭があることで道路との気温差を利用して人工的に風を取り込む工夫がされていました。
次は吹抜け天井です。
この下には台所があり、煙を外に出す役割と窓を付け採光の役割もあります。
電気のない時代に換気扇の代わりと照明の代わりをしています。
最後は外観です。
つくまなぶの暖簾が掛かっています。
昔の人も店をしている町家が多く暖簾を掛けていました。
余談ですが、暖簾の色にも決まりがあって、
藍色は酒屋・呉服屋、白色は和菓子や飲食店と定めらていたそうです。
暖簾は目隠し役目を果たし、扉を開けっ放しのままにして風通しをよくするためです。
また右側の格子は
外からの目隠しになり、中から外の様子がわかるようになっています。
格子は上部を切り取られているのは光を多く取り入れる工夫です。
これも電気ない時代の知恵ですね。
このように電気のない時代にいかに涼しく・部屋を明るくする知恵が詰まっています。
他にも京町家には多くの工夫や技術が集まっています。
私はずっと京都にいるため見慣れた建物なのですが
何気なく見ているものも、ふと疑問に思うことで様々な発見がありますね。
京都町家科学館では、装置を展示しています。見学希望の方はご連絡ください。
また来た際には建物にも注目してみてください。
宿野 裕一朗