安全な水とトイレを世界中に
2021.10.04
地球は「水の惑星」と例えられるほど豊富に水が存在していますが、飲める水が豊富かというと話は別なようです。
まず97.5%が海水で飲用には向いていません。
残りのわずか2.5%が淡水ですが、そのうち1.76%が氷河と0.76%が地下水で簡単に利用することが難しい水です。
残りのたった0.01%がようやく河川や湖沼などの比較的利用しやすい淡水ということです。
(国土交通省「平成15年版 日本の水資源」より)
水は実は大変な貴重品なのです。
海水を科学の力で
しかしこの豊富にある海水を科学の力で淡水化する施設があります。
福岡県にある海水淡水化センター(まみずピア)
出典:福岡地区水道企業団
http://www.f-suiki.or.jp/facility/kaitan-center/
沖縄県にある海水淡水化センター
出典:沖縄県企業局
https://www.eb.pref.okinawa.jp/water/73/79
方法は塩水に圧力をかけて半透膜を利用して塩分を取り除く、逆浸透という現象を利用するそうです。
出典:三井化学株式会社 そざいの魅力ラボ
https://jp.mitsuichemicals.com/jp/molp/article/detail_20200714.htm
トイレを科学の力で
さて、飲んだら行きたくなるのがトイレですが
トイレにも科学の力で快適に用が足せる技術が盛り込まれています。
センサー、ヒーター、モーター、ポンプなどで構成されたハイテク温水洗浄便座は珍しいものではなくなりました。
排水を大と小に流し分けたり、タンクの給水に手洗いを付けたりして水を節約する工夫もされていますね。
公衆トイレではセンサーで手を触れずに水を流してくれたり、手洗いをしたりすることができます。
疑似音装置(いわゆる音姫)なるものを備えて水を流す音だけ出して周りに用を足す音を聞かせないなんてことまで出来ますね。
トイレ先進国と言われる日本、次はどんな新しいトイレで世界を驚かせるのか楽しみです。
ウォシュレットで有名なTOTO株式会社の企業ミュージアムがあるそうです。
TOTOミュージアム
トイレを済まして流した排水はどこへ行くのでしょう?
地下を流れる下水道の上にあるマンホールぐらいしか目に付かないかもしれませんね。
出典:京都市上下水道局 京都市のマンホール特集
https://www.city.kyoto.lg.jp/suido/page/0000282036.html
排水口は海の入口なんて表現されることからも下水をきれいにしないで流せば河や海が汚れてしまします。
ここでも科学の力で下水をきれいにしています。
下水処理場はバクテリアなどの微生物の力を利用したり、重さの違いを利用して水と砂を分けたり、塩素を使って消毒したりとさながら化学工場のようです。
じつは下水処理施設には科学館と名の付く下水道のしくみを学ぶ施設がたくさんあります。一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
札幌市下水道科学館
https://sapporo-src.com/kagakukan/
東京都虹の下水道館
https://www.nijinogesuidoukan.jp/information/
愛知県下水道科学館
名古屋市下水道科学館
大阪市下水道科学館
https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000430776.html
まとめ
水は蛇口をひねると出てくるのが当たり前、
トイレは快適に用を足せるのが当たり前、
排水は流してその後を気にする必要がないのが当たり前、
当たり前の向こうにある科学や技術に関心を持つようにしたいですね。
島津久義