科学とジェンダーと平等
2021.08.23
科学分野で女性のノーベル賞受賞者といえば誰を思い浮かべますか?
一番の有名人は放射線の発見で有名なキュリー夫人ことマリ・キュリーでしょうか。
ところでノーベル賞全体における女性受賞者の割合は
生理学・医学賞で5.4%
化学賞で3.8%
物理学賞で1.9%
だそうです。
Girona7 - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=16898574による
これは多いと思いますか?少ないと思いますか?
さて、ベネッセ教育総合研究所の第5回学習基本調査(平成28年)基礎集計表によると
子どもたちの理科好きの割合について
「小学生」では
【男子】:とても好き49.3%+まあ好き30.9%=80.2%
【女子】:とても好き35.1%+まあ好き35.1%=70.2%
差:80.2%-70.2%=10%
だったのが
「中学生」になると
【男子】:とても好き25.4%+まあ好き35.3%=60.7%
【女子】:とても好き17.9%+まあ好き30.6%=48.5%
差:60.7%-48.5%=12.2%
「高校生」になると
【男子】:とても好き16.9%+まあ好き37.0%=53.9%
【女子】:とても好き8.3%+まあ好き28.2%=36.5%
差:53.9%-36.5%=17.4%
理科が好きの割合が学年とともに減っていくのは男女とも同じですが
男女の差はどんどん開いていきます。なぜでしょう?
もしも女子が将来における社会で期待される
女性の(理不尽な)役割や差別というプレッシャーを敏感に感じ取って
理科学分野への志望を諦めているとしたら、持続可能な社会に向けて非常に大きな障害です。
せっかくの理科好きをあきらめさせない・・・
私たちに何ができるか常に考えていきたいと思います。
島津久義