質の高い教育をみんなに
2021.07.05
日本において学校のはじまりといえば江戸時代の
武家の子息が必要な教養を身につけるのための「藩校」と呼ばれる施設がありました。
おかげで江戸末期の武士の識字率はほぼ100%だったそうです。
出典:Wikipedia 藩校より
一方、庶民には商売に必要な読み書き算盤を学ぶ「寺子屋」と呼ばれる私営の塾のような場所がありました。
おかげで男子の約半分が読み書きできたと言われています。
しかしまだまだ商人以外の男子や女子にとっては教育が行き届いている状態とは言えませんでした。
明治時代になると身分制度が廃止され「尋常小学校」と呼ばれる公的教育施設が誕生するのですが
それ以前に小学校がここ京都から始まったということをご存知でしょうか?
幕末の混乱と明治維新で衰退した京都を復興すべく
町民自らが共同出資して日本で初めての「番組小学校」と呼ばれる町の集会所を兼ねた小学校を設立したそうです。
庶民の男女誰もが学ぶことができるこの小学校は64校もあったそうです。
まさに「質の高い教育をみんなに」という当時の意気込みを感じます。
・中京区の番組小学校
出典:京都市中京区HP 「語りつがれるわがまち」より
https://www.city.kyoto.lg.jp/nakagyo/page/0000038847.html
そんな長い歴史のある京都の番組小学校ですが現在では少子化の波で廃校や統合が進み十数校になっています。
廃校になった
開智小学校は「京都市学校歴史博物館」として
龍池小学校は「京都国際マンガミュージアム」として
明倫小学校は「京都芸術センター」として
その歴史を今に伝えています。
島津 久義