AIと科学
2021.04.26
今コロナワクチン摂取の話題が、マスコミでも大きく取り上げられています。
新型コロナウィルスが発生してからわずか1年以内に開発されました。
通常ワクチン開発は探索期間でも数年、実用化されるまで約15年はかかります。
まさに今回は驚異的な早さでワクチン開発されました。
この早さを実現した要因として
「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)」が活躍しました。
これは専門家の「経験」と「勘」に頼っていた材料開発を、
物質特性をコンピュータ上で高精度に計算した「材料データベース」と「AI」により
開発していく手法です。
AIにより候補となる素材を選定することで、選定に掛かる時間・コストが大幅に削減できます。
これにより通常よく早くワクチン開発されました。
出典:株式会社日立ハイテクソリューションズ
「マテリアルズ・インフォマティクスとは」
「MI」と新素材
「MI」の手法は、今まで研究者が思いつかなかった組合せを提案することもあり
それが新素材発見に繋がる場合もあります。
例えば、ノースウェスタン大学のクリストファー・ウォルバートン氏らの研究チームが
発表した研究では、新たな金属ガラスの発見を「MI」で通常の200倍もの早さで発見することに成功しています。
出典:アダマンド並木精密宝石株式会社 「金属ガラスとは」
https://www.ad-na.com/product/jewel/material/bmg.html
まとめ
今回紹介したのは、科学の分野でも今まで手間や時間がかかる作業をAIによって簡略化し、さらに人の知識から導き出す結果を真似ることができた一例です。
このMI技術に研究が早く進むことで、より多くの新素材が生まれるかもしれません。
材料は私たちのありとあらゆる物が材料からできおり、生活を便利にしていくには
新素材の開発が不可欠です。
その中で自然環境に考慮した新素材が生まれれば、SDGsで提唱している
「14海洋生態系の保全」「15陸域生態系の保全」等を解決していく糸口になるのではないでしょうか。
宿野 裕一朗
参考資料:
株式会社日立ハイテクソリューションズ 「マテリアルズ・インフォマティクスとは」https://www.hitachi-hightech.com/hsl/products/ict/cloud/ci/or_mi.html
GIGAZINE 金属ガラスの発見を「機械学習」で200倍高速化することに成功
https://gigazine.net/news/20180423-ml-accelerate-matellic-glass/