懐かしい未来と出会う場ーつくるまなぶ京都町家科学館ー
2021.03.29
京都の西院の街中に、フラッとのぞける町家科学館を昨年開設しました。阪急電車西院駅を降り、西大路通りを南へ歩くこと6分で来られます。京都で一番人気と言われる桧公園の前の4軒長屋の1軒が
"つくるまなぶ京都町家科学館"です。
何故、町家に科学館をつくったのか?と言いますと"つくるとわかるもっと知りたくなる(What to make Why to make)"
つまり、日常生活の中で、ものづくりことは実は楽しいことなのだってことを、私たちはいつの間にか忘れてしまっていませんか?を問いかける場を街中に作りたかったからです。
こんなことが有りました。それは昨年の4月に新型コロナウイルスの感染拡大が進み、お店にマスクが無くなってしまいみんな困っていました。そこで、町家科学館は、前の桧公園で「ないならつくろう!マスク」のワークショップを地域の人達に向けて開催しました。そうすると地域の親子やおばあちゃんたちが、沢山やって来てくれて「マスク作りの体験」をしてくれました。その時にこんなことを言われました。
それは「マスクってつくれるんですね!」でした。
そうなのです、マスクは買わなくても作れることに気が付いてくれました。それだけではありません。そのマスクを自分のためだけではなく、子供や孫のためにつくりたいと、わざわざ遠くからバイクに乗って教えて欲しいとやってきてくれたおばあちゃんがいました。
まさに、つくれる事がわかったのです。なんでも自分たちで作っていた懐かしい昔の暮らしのことを、おばあちゃんは思い出してくれたのです。
今こそ、大切にしないといけない未来の暮らしは「小から大を考える、自分や家族から世界を考える」つまり
自分と家族と地域とのつながりを先ず考えてから遠くとのつながりを考えることだと気づき始めたのだと思います。
都市には大きな科学館がありますが、「つくるまなぶ京都町家科学館」は
科学を体験しながら、風や音、光のことを感じることができる場所です。
「昔の暮らしの場×科学の体験」を通じて、昔の家は外の自然の様子を家の中に居ても感じられる場だったこと知ることで、経済(生産すること)と社会(暮らすこと)はつながっていて、
今、暮らしていることは、周りとの調和の中に存在していることを学ぶ出発点になればと思っています。
SDGsのことが注目される今ですが、
ゴールは、地球はたった一つの入れもので、その中に人間も動物も植物つながって暮らしていることに気づき、
「人とモノとコトが調和する未来づくり」を一人ひとりが自分毎として考え始めることだと思っています。
そんな機会を"つくるまなぶ京都町家科学館"が提供できれば嬉しく思います。
宿野 秀晴
※つくるまなぶ京都町家科学館 http://tsukuru-manabu.jp/
※私たちが取り組むSDGsのテーマ